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一期一会 

  • 2007.11.01 (Thu)

自分の人生に影響を与えるほどの「出会い」なんて、一生のうちに何度あるのだろう。
私がそういう経験をしたのは、今までにまだ一度だけしかない。

その人と出会ったことによって、私はVFRを購入し、現在に至っている。
この時の「出会い」がなかったら、今の私はなかっただろうと思う。


当時、CBRに乗っていた私は、暫くバイクに乗っていなかったブランクと最近のバイクの高性能さに戸惑い、自信をなくしていた。
今までバイクに乗っていた頃の楽しさも次第に忘れつつあり、ツーリングに行くこともほとんどなくなっていた。

そんなある夏の夜、久しぶりに行った阿蘇からの帰り道、基山PAでその人と出会ったのだった。

休憩を終えてそろそろ帰ろうとバイクの所へ戻ってくると、少し離れたところに1台のロングツーリング仕様のバイクが止まっており、オーナーが熱心に地図を見ていた。
あれ、このバイク、さっき北熊本SAにもいたよナ・・・と思いつつも、知らん顔をして帰ろうとしていると、その人は

「こんばんは(^^)」

と、気さくに挨拶をしてこられた。

「あの、福岡の方ですか? ちょっと道を尋ねたいのですが・・・」
「まぁ、分かるところなら・・・」
「○○区のですね、××っていう所に行きたいんですけど・・・分かります?」

彼の言うその場所を聞いた時、内心驚愕した。
そこは私の帰り道にあたる、しかも会社の近所だったのだ。

「そこにあるこの喫茶店に行きたいんですけど、ご存じないですか?」
と、その店のカードを見せてくれた。

それは私の会社のすぐ近くにある店で、そこのマスターを尋ねるのだという。

「ああ、それだったら都市高の××で降りて云々・・・」と説明はしたものの、そのあと、フッと言葉をついて出たのが、

「あんまり飛ばさないんで良ければ、ご案内しましょうか?」

私が自らランデブー走行を申し出たのは、後にも先にもこの時だけである。

「本当ですか?助かります!」

そして夜の高速を2台で福岡まで走ったのだが、このわずかな間の楽しかった気持ちは今でも忘れていない。

「本当にありがとうございました。せっかくだから、中でお茶でも飲んでいってください」
とのお言葉に甘えて、閉店してマスターが終わるのを待つ彼に付き合い、一緒に閉店まで待つことにした。

はるばる長野から来ていた彼は、毎年お盆休みに九州ツーリングをしているのだという。
行く先々で撮ってきたたくさんの写真を見せてくれながら、いろいろな話を聞かせてくれた。
ああ、彼のツーリングの話はなんと素晴らしく、羨ましく思えたことか!

この時のように、偶然もたらされた信じられない「一期一会」に、無意味なものはない。
そこには必ず、何かしらの「価値と意味」がある。
彼との何気ない会話の中で、私は今まで忘れかけていたものを思い出し、そして新たな「気づき」を得ることができたのである。

あまりツーリングには行かないんですか、との問いに、もう若くはないですから、と答えると、私とさほど歳も変わらないと思われる彼は笑いながら「まだまだこれからですよ」と言ってくれた。

「まだまだこれから」・・・
彼の何気ないこの言葉は、私の心の奥深くにある何かを揺り動かした。

そうだ、私は自分自身に制限をかけていたに過ぎない。
やりたいと思うことに、歳も時期も関係はないのだ。
もっとバイクを楽しみたい、彼のように、たくさんのいろんな場所を走りたい・・・

その時から、私がこれからもバイクに乗り続けていく目的は、はっきりと「ツーリング」になったのだった。
そして日を置かずして、私はVFRを購入した。


彼とはそれきり会うこともなく、もちろん連絡も取っていない。
私の手元には、彼がくれた一枚の名刺があるだけである。
それを見るたびに、私はもう一度、彼に会いたいと思う。
夜の闇を切り裂き、すばらしいスピードで疾駆する、あの青と黒のブラックバードの勇姿を、もう一度、見たいものだと思う。

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